≫ サイトマップ

【感想&解説】『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』を読んで

『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』読了。歴史的な転換期の到来を感じさせられる本でした。

目次

『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』簡単解説

本書の著者ジム・ロジャーズは、世界三大投資家の一人として知られる著名な投資家です。

世間が注目していない割安銘柄に投資する「逆張り投資」を好んでおり、投資ファンド経営時代には、10年間で4200%という驚異的なリターンを上げた実績を持っています。

本書でジム・ロジャーズは、「『株式バブル崩壊』と『インフレ時代の到来』という時代の大転換期が迫っており、私たちは考え方を一新して備えなければいけない」と警鐘を鳴らしています。

「株式市場暴落が来た時への備え」、「インフレ時代における投資戦略」などを考える上で非常に参考になる本でした。

バブル崩壊とインフレ時代の到来

2008年のリーマンショック以降、アメリカや日本などの先進国は、”経済を下支えする”名目で低金利を継続、お金を大量にばら撒いてきました。そして、株式市場にも巨額の資金が流入し、例えば米国株指数のS&P500や日本株指数のTOPIXは右肩上がりを続けてきました。

2019年、そろそろ中央銀行が金融政策の正常化に向かおうとした矢先にコロナ・ショックが発生。各国はさらなる金融緩和を続けざるを得なくなり、株式市場にはより一層の資金が流入しました。S&P500やTOPIXもさらに上昇し、恩恵を受けた投資家も多いかと思います。

しかし、長年続いた金融緩和のために各国の借金(債務)は過去最大に膨れ上がっており、「ひとたび逆回転(弱気相場)が始まると、市場は大混乱になる」と筆者は警鐘を鳴らしています。

歴史を見ると、債務が膨れ上がった後には、世界中で問題が起こって いる。(中略)膨れ上がった負債の規模から考えても、次の危機がとてもひどいものになると確信している。

『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社)Kindle版、16ページ

また、「バブル崩壊」の足音が近づくと同時に、現在私たちの生活を直撃しているのが「物価高騰」です。

長年の金融緩和によって大量のお金が流通したことで、相対的にお金の価値は低下し、世界的な物価高騰(インフレ)が顕在化しました。

日本でも、ガソリン代や電気代、食料品の高騰を肌で感じる日が多くなってきていますよね。

どう行動すべきか

「バブル崩壊」と「インフレ時代」に備えて、私たちはどのような行動を取るべきなのでしょうか。

まずは資産のポートフォリオを考えなければいけない。過去の歴史においては、インフレ時には金や銀、食糧やエネルギーなどの商品、あるいは不動産を持つことが有効だった。

『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社)Kindle版、118ページ

筆者は不況やインフレ時でもリターンが見込めるものとして、「コモディティ関連」を紹介しています。

筆者が紹介しているコモディティ群
  • 貴金属(金・銀・銅など)
  • 食料品
  • エネルギー(石油・天然ガスなど)
  • 不動産(リートなど)

常に需要があって価値が目減りしない「生活必需品」(コモディティ)関連への投資は、景気後退時でも底堅く、インフレ時代には物価と合わせて価格が上昇するので、「資産の逃避先」として重宝されてきました。

貴金属やエネルギー、食糧品は、私たちの生活の中であまりにも”当たり前”すぎて、平時は投資先としてあまり注目されることがなく、割安に放置されていることも多々あると言います。

相場で成功するためには、不況時に買うべき株や企業を探さなければならない。不況時にも耐久性がある企業、 産業を探せば成功できる。そういった株は不況が終わると買いが殺到するので、人よりも先んじて投資する勇気が必要だ。

『世界大異変―現実を直視し、どう行動するか』(東洋経済新報社)Kindle版、32ページ

割安なタイミングで先行投資できれば、資産の防衛のみならず、インフレ率以上のリターンを得られるかもしれません。

今後起こり得る「大きな社会変化」を味方につけるためには、平時から着々と準備を進め、先回りしておくことが重要であると教えてくれています。

激動の時代を生き抜くためにも、ぜひ本書を読んで、「賢人の知恵」を借りてみてはいがかでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次