長時間残業、ブラック企業、環境破壊、格差社会・・・。このような言葉を最近よくニュースで目にする機会が増えました。
「なんで社会はこんなに残酷なの?」
「もっとみんながハッピーな社会は実現できないの?」
そんな疑問に答えてくれるかもしれない哲学者がいます。
「カール・マルクス」です。
マルクスは1800年代の資本主義社会を生きた哲学者であり、労働者が資本家に“搾取”される現状を目の当たりにして、資本主義社会の構造やあるべき社会の姿について考察しました。
「マルクス」と検索するとまず最初に出てくるのが、代表作の「資本論」です。
しかし、この作品は哲学的な表現や専門的な用語が多く、読み進めるのがかなり大変と言われています。
そこで今回は、私が実施に読んでおすすめしたいと思ったマルクス「資本論」解説書5選を紹介したいと思います!
おすすめ「資本論」解説書5選
池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」
ニュース解説でお馴染みの池上彰さんが、マルクスの「資本論」を高校生にも分かるように平易な言葉で解説してくれます。
この本の特徴は、「ここまでの話を要約すると・・・」という風に、途中途中で内容をまとめてくれる点です。
数々のテーマを分かりやすく視聴者に伝えてきた池上さんの真骨頂が、この本でも存分に表れています。
「まずは”資本論”の雰囲気だけでも知りたい!」、「池上さんの解説が好き!」という方にお勧めの本です。
NHK100分でde名著 カール・マルクス『資本論』
古典作品を紹介する人気のテレビ番組『NHK100分de名著』の「資本論」の回を書籍化した本です。
この本の特徴は、「分かりやすさ」と「読者を惹きつける文章構成」です。
原作がテレビ番組であることから、「資本論」を初めて聞いた視聴者も理解できるよう構成されており、視聴者を引き付けるような言葉選びもされていると思いました。
「テレビ番組を眺める感じでざっくり学びたい!」という方にお勧めの本です。
武器としての「資本論」
現代社会を取り巻く様々な問題を、マルクスの「資本論」という“レンズ”を通して読み解いていく本です。
この本の特徴は、マルクスが「資本論」に書いた1800年代から現在に至るまで、「資本主義社会がどのように変化してきたか」を時系列で解説している点です。
資本主義の変化を知ることで、「なぜ現代社会に“派遣労働”が生まれたか」や「なぜ”過労死”が生まれてしまうのか」といった最近の社会問題についても理解が進みます。
「一体誰のために、こんなに一生懸命働いているんだろう?」、「仕事ってなんでこんなに大変なんだろう?」と今悩んでいる方は、この本を読むとその答えが分かるかもしれません。
人新世の「資本論」
大学でマルクスを研究されている斎藤幸平さんが、専門家の立場からマルクスを解説する本です。
この本の特徴は、「資本主義社会はどう変わるべきか」、「資本主義社会で生きる個人はどう変わるべきか」などのように、より豊かな社会を実現するための具体案を提示している点です。
資本主義が“暴走”することで生まれてしまった「環境破壊」や「格差社会」。
これらの問題は果たして解決可能なのでしょうか・・!?
「マルクス研究の最前線に触れたい!」、「未来のあるべき社会の形について考えたい!」という方にお勧めの本です。
賃労働と資本
マルクスが当時の新聞に連載していたコラムを、一つにまとめた本です。
一般向けとして新聞に掲載していた内容なので難しい用語が少なく、マルクス本人の作品としては最も読みやすいと思います。
また、「賃労働と資本」のパートは全部で60ページ程度と非常に読み易く、マルクスの思想に「直接」触れるにはうってつけです。
「マルクスの文章に触れてみたい!」という方にはまずこの本をお勧めします。
最後に
本記事では、おすすめのマルクス「資本論」解説書を5冊紹介しました。
- 池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」
- NHK100分でde名著 カール・マルクス『資本論』
- 武器としての「資本論」
- 人新世の「資本論」
- 賃労働と資本
最近は長時間残業、ブラック企業、環境破壊、格差社会 など、”資本主義の暴走”とも読み取れる事案が発生していますね。
そんな資本主義社会の問題と切っても切れない関係なのが「マルクス」であり「資本論」です。
きっと今後も、この2つのワードは何度も耳にするかと思います。
この機会に、マルクス「資本論」の解説書を一度読んでみてはいかがでしょうか。
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