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【感想&解説】『史上最高の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』を読んで

投資家ウォーレン・バフェットの「目利き」に迫る本でした。

目次

『史上最高の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』簡単解説

『史上最高の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』は、「バフェットの投資手法を分析し、競争力のある企業を見抜く方法を読み解いていく本」です。

ウォーレン・バフェットは世界で最も有名ば投資家の一人です。コカ・コーラやVISA、Appleなどに早くから投資し、生涯パフォーマンスで年率+20%近くの並外れた成績を残しています。

本書では、企業のB/SやP/Lなどの「財務諸表」に着目することで、バフェット投資の本質を読み解いていきます。

「個別株投資に興味がある人」、「優れた企業の共通点について知りたい人」にオススメです。

『稼ぐ企業』の特徴とは?

『稼ぐ企業』は一体どんな特徴を持っているのでしょうか?

バフェットが考える有望企業は、「”永続的”競争優位性」のある企業です。

競争優位性のある企業は、他社が簡単にマネできない製品・サービスを有しており、市場を独占します。

高い参入障壁を築くことによって、価格設定を思いのままにすることができ、高い利益を継続して生むことができるのです。

「”永続的”競争優位性」のある会社には、次のような特徴があると本書で述べられています。

  1. 粗利率が継続的に40%以上
  2. 純利益率が継続的に20%以上
  3. 研究開発費が”低い”
  4. 財務状態が健全
  5. 自社株買いをしている

➀粗利率が継続的に40%以上

「粗利」とは、「売上から原価(原材料費や人件費)を差し引いた後の利益」です。

粗利率は、売上のうち原価が何割を占めているか、を表します。粗利率40%の企業であれば、売上のうち、原価60%、粗利40%となります。

企業の粗利率が高い場合、「原価を大幅に超える価格設定をしても商品が売れている」ことを示しており、製品・サービスに競争優位性を持っている可能性が高い、と言えます。

➁純利益率が継続的に20%以上

「純利益」とは、「粗利から営業経費(販管費、研究開発費、減価償却費など)、その他費用を差し引いた後の利益」です。

純利益率は、売上のうち原価や営業経費、その他費用が何割を占めているか、を表します。粗利率40%で純利益率20%の企業であれば、売上のうち、原価60%、営業経費・その他費用20%、純利益20%となります。

企業の粗利率および純利益率が高い場合、「営業のためにお金を使わなくても、原価を大幅に超える価格設定の商品が売れている」ことを示しています。

企業としてはウハウハの状態と言えますね。

➂研究開発費が”低い”

本書の中で私が一番「なるほど!」と思ったポイントです。普通私たちは、研究開発費が高いほど「技術開発に注力していて有望だ!」と考えてしまします。

しかしながら、研究開発費が高い企業は、「研究開発を常に頑張らないと他社に後れをとってしまうような事業環境に日々さらされている」ことと示しており、永続的な競争優位性からはかけ離れた場所にいると言わざるを得ません。

バフェットが投資しているコカ・コーラの研究開発費はなんと”ゼロ”です。何十年も同じ味で莫大な利益をあげる企業が世の中に存在していることを私たちは知る必要があります。

「成長に大量の資本を必要とする企業と、成長に資本を必要としない企業とでは、天と地ほどの差がある」

『史上最強の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』(徳間書店)156ページ Kindle 版.

➃財務状態が健全

永続的に競争優位性を持っている会社は、莫大な利益を安定して得ることができ、結果として財務状態は健全となります。

潤沢な儲けがあれば、ビジネスを成長させるためにわざわざ借金する必要がありません。

財務指標で言えば、「自己資本比率が高い」企業と言えるかと思います。

⑤自社株買いをしている

永続的に競争優位性を持っている会社は、大量の現金を稼ぎ出すことができ、結果として自社株買いなどの株主還元を手厚くできます。

連続して自社株買いを続ける余裕のある会社は、何らかの競争優位性を持っているとも言えますね。

自社株買い以外にも、配当を連続増配している会社は競争優位性がある可能性が高いと考えられます。

さいごに

本記事では『史上最高の投資家 バフェットの財務諸表を読む力』について紹介しました。

バフェットが好む「”永続的”競争優位性」を持つ企業の特徴は以下の通りでした。

  1. 粗利率が継続的に40%以上
  2. 純利益率が継続的に20%以上
  3. 研究開発費が”低い”
  4. 財務状態が健全
  5. 自社株買いをしている

バフェットは、バリュー投資家の始祖と言われるベンジャミン・グレアムを師匠としています。グレアムの「割安株投資」にバフェット自身の「成長株投資」を組み合わることで、「割安×成長株投資」を完成させたのだと思います。

割安性だけでなく、成長性にも着目することで利益を最大化できることを教えてくれる本でした。個別株投資に興味がある方はぜひ一読してみて下さい。

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