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日本経済の屋台骨『自動車産業』に嵐【今後の投資戦略を考える】

日本経済の屋台骨『自動車産業』が揺れています。

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「ホンダ」と「日産」の統合

2024年12月23日、日本の代表的な自動車メーカーである「ホンダ」と「日産」が経営統合の協議に入った、とのニュースが飛び込んできました。

ホンダ・日産が統合へ 持ち株会社設立、三菱自の合流視野(日本経済新聞)

業績不振に陥っている「日産」に対して、台湾の精密機器メーカー「鴻海精密工業(ホンハイ)」が買収意欲を示していました。そこに、「ホンダ」がいわば”救済”に入るような形で、「日産」との経営統合の協議が始まっています。

「日産」は世界的に名が知られる有名ブランドですが、近年はBYDなどの中国EVメーカーが台頭、熾烈な価格競争についていけなくなっていました。自動車業界は完全に世界のルールが変わってしまい、エンジン車・ハイブリッド車・電気自動車(EV)などが入り乱れる戦国時代に突入しています。

エンジン車で覇権を握っていた日本企業も、これからは「生き残りの戦い」が激しくなると考えられます。これは完成車メーカーだけに留まりません。エンジン車→EVへの産業構造変化によって、部品点数は10万点→1万点へ激減すると言われており、自動車産業を長年支えてきた多くの部品メーカーにも甚大な影響が及びます(日本の主要輸出品目のうち、自動車は1位、自動車部品は4位)。

自動車品目割合
1自動車17.1%
2半導体部品5.4%
3鉄鋼4.5%
4自動車部品3.8%
5半導体製造装置3.5%
6プラスチック2.9%
7原動機2.9%
8科学光学機器2.5%
9非鉄金属2.4%
10電子回路機器2.1%
日本の輸出上位10品目(2023年):財務省貿易統計

実際に、「ホンダ」と「日産」の件では、2社合計で3万社ある国内の取引先で、取捨選別・再編が起こる可能性がある、と報じられています。

ホンダ・日産統合なら取引先再編も 重複は3割(日本経済新聞)

日本経済の屋台骨である自動車産業に大きな波が押し寄せている今、投資の観点から見ても、これまで以上に「銘柄選定の力」が試される時代に突入したと感じます。

これからの日本を代表する産業

私は、これから産業構造の転換が起こり、自動車産業に並ぶ、次の日本を代表する産業が育っていくと感じています。

その一つとして期待しているのが、マンガ・アニメ・ゲーム・音楽といった「IP産業」です。

ここ10~20年でインターネット・スマホが普及し、世界中の人が一人1台スマホを持つようになりました。マンガやアニメ、ゲーム、音楽が瞬時に広まるインフラ網が成熟し、この恩恵を特に受けているのがIPコンテンツです。

例えば、ポケモンやハローキティ、ワンピースやドラゴンボールといった、日本発のIPコンテンツが世界中で人気を博しています。

IPコンテンツは一般の機械製品やプラスチック製品とは違って「ブランド化」されているので、簡単にマネすることができません。他社が参入できない競争優位性を持っており、また、利益率も高く設定できます(例えば、”公式の限定品”という響きで客が殺到し、原価関係なく商売できる、など)。

日本は世界的に有名なIPコンテンツを複数持っており、今後はIP関連企業の価値が高まっていく、と感じます。

激動の時代においては、産業構造の変化を敏感に捉えて行動することが成功の秘訣なのかもしれません。

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