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新興国株式の不要論は本当?【内訳と実績を理解した上で判断しよう】

「新興国ってどこの国?」
「新興国株式は不要って聞くけど本当?」

こんな方におすすめの記事です。

本記事の内容
  • 新興国株式の内訳
  • 新興国株式「不要論」が出る理由
  • 新興国株式に投資すべきか

Google検索で「新興国株式」と入力すると、予測変換で「新興国株式 不要」というワードが出てきます。

確かに、最近は「米国株式」の伸びが著しく、「とりあえず米国株に投資しとけばいい」みたいな風潮がありますよね。

そこで今回は、本当に新興国株式が不要なのかどうかしっかり検証していきます。

目次

新興国株式の内訳

まずは「新興国株式インデックス」の構成国内訳を確認してみましょう。

新興国株式インデックスの構成国比率:eMAXIS Slim 新興国株式インデックス(2024年1月月報)を参照(ケイマン諸島分は中国として換算)

新興国株式インデックス=「アジア主要国+α(南米、中東、アフリカ、ヨーロッパ中堅国)」とイメージできます。

最も代表的な新興国株式指数の一つである「MSCI エマージング・マーケット・インデックス」は全24ヶ国から構成されています。

  • アジア
    • 中国
    • インド
    • 台湾
    • 韓国
    • インドネシア
    • タイ
    • マレーシア
    • フィリピン
  • 南米
    • ブラジル
    • メキシコ
    • チリ
    • ペルー
    • コロンビア
  • 中東、アフリカ
    • サウジアラビア
    • 南アフリカ
    • UAE
    • カタール
    • クウェート
    • エジプト
  • ヨーロッパ
    • ポーランド
    • トルコ
    • ギリシャ
    • ハンガリー
    • チェコ

続いて、各国の代表的な企業を見てみます。

代表的な企業
中国テンセント(IT)
アリババ(IT)
インドリライアンス・インダストリーズ(石油化学)
インフォシス(IT)
台湾TSMC(半導体)
韓国サムスン電子(電子部品)
SKハイニクス(半導体)
ブラジルヴァーレ(資源開発)
新興国株式を構成する代表的な企業

中国の巨大IT企業を中心に、台湾・韓国の半導体製造企業、インド・ブラジルの資源開発企業などで構成されているイメージでしょうか。

企業の顔ぶれで、各国の特色が分かるのが面白いですね。

新興国株式「不要論」が出る理由

新興国株式「不要論」が出る理由は大きく3つあります。

  • 最近の成績が先進国株式に劣る
  • 値動きが激しい
  • 手数料(信託報酬)が高い

最近の成績が先進国株式に劣る

新興国株式「不要論」が出る最大の理由はやはり、最近の成績が振るわないことだと考えられます。

参考として、先進国株式と新興国株式の過去5年実績を比較してみます。

過去5年の株価比較をBloombergより抜粋(先進国株式:iシェアーズMSCIコクサイ ETF、新興国株式:iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF)

過去5年で見ると、新興国株式は先進国株式に比べて株価の伸びがやや鈍くなっています。特に、感染症蔓延(2020年~)から後の回復が遅れていますね。

一方の先進国株式(中でも米国株)は暴落からの回復が素早く、「とりあえず米国を含む株式に投資しておけばいい」という雰囲気になるのも分かるような気がします。

値動きが激しい

先進国株式と新興国株式の過去10年の株価の推移を縦並びで比較します。

過去10年の株価比較をBlack Rock HPより抜粋(先進国株式:iシェアーズMSCIコクサイ ETF、新興国株式:iシェアーズMSCIエマージング・マーケットETF)

先進国株式はきれいな右肩上がりを描いているのに対し、新興国株式は株価が激しく上下しています。

先進国株式の1/3を占める中国企業は中国当局の政治的影響を受けやすく、株価が敏感に反応することが一因として挙げられていす。

手数料(信託報酬)が高い

新興国株式は先進国株式などと比べて手数料(信託報酬)が高い傾向にあります。

例として、人気の投資信託であるeMAXIS Slimシリーズで信託報酬率を比較してみます。

eMAXIS Slimシリーズの信託報酬率
  • 米国株式S&P500:0.096%
  • 先進国株式:0.102%
  • 全世界株式:0.114%
  • 新興国株式:0.187%

どれも十分低い水準ではありますが、やはり新興国株式は信託報酬率がやや高く感じてしまいます。

新興国株式に投資すべきか

新興国株式「不要」派のネガティブな意見を聞いていると、「確かに不要なのでは…?」と感じてきます。

しかしながら、新興国はその言葉通り、“これから”伸びていく国々の集合体です。

直近の株価だけで優劣を議論するのはなかなか難しいと思います。

一つの参考例として、全世界の地域ごとの予想人口推移を示します。

世界人口推計:World Population Prospects 2019(国連)より抜粋・編集

今現在、“新興国”と呼ばれているアジア・アフリカの人口が著しく増大することが予想されていますね。

人口が増えれば、それだけ経済活動も活発になります。

よって、新興国株式にも今後伸びる可能性は十分秘められているのではないでしょうか。

新興国の今後の伸びに投資したい。でも、値動きは激しいし、信託報酬率も高いなぁ…。

このように感じる方は、「全世界株式」に投資しておくのが一案と思います。

全世界株式は米国・ヨーロッパの企業はもちろんのこと、新興国もちゃんとポートフォリオに組み込まれているので新興国の成長を漏れなく取り込むことができますよ。

また、信託報酬率も新興国株式より低く設定される場合が多いので安心です。

以上、

「新興国株式の不要論は本当?」というお題で新興国株式を解説しました。

もちろん現状はなかなか投資先としてハードルが高いことは事実ですが、今後の成長に期待する余地があるのも確かです。

新興国株式の内訳と新興国を取り巻く環境をしっかり理解した上で判断していきましょう。

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