株式投資においては、常に「株価暴落」のリスクを頭に入れておかなくてはいけません。
次の大暴落に備えるべく、今回は、過去の暴落局面における株価の値動きを確認していきます。
コロナ・ショック時の日経平均株価の値動き
まずは、2020年に発生した『コロナ・ショック』を振り返ります。
2020/1/6:中国・武漢で原因不明の肺炎が発生したとの報道。
2020/1/15:日本国内で一例目が確認。
2020/1/23:中国・武漢が封鎖され、隔離状態に。一方、世界保健機関(WHO)は、「国際的な緊急事態にはあたらない」との声明を発表。
2020/1/30:WHOは声明を一転し、「国際的な緊急事態」と宣言。(ただし、貿易や人の移動制限は勧告しなかったことから、翌1/31は日経平均株価+1%以上値上がり)。
2020/2/25:世界各地で感染者数が増加し、最初の世界同時株安となる。日経平均は-3.3%を記録し、下落が加速。
2020/2/28:北海道が国内最初の「緊急事態宣言」を独自に発令。外出自粛を呼びかける。
2020/3/10:日本政府が「歴史的緊急事態宣言」を発令。
2020/3/12:米国トランプ大統領が「感染者数の多い欧州からの入国停止」を発表。
2020/3/13:NYダウ、欧州株が-10%を記録。日経平均株価も-6.1%を記録し、コロナ禍最大の下落率を記録。
2020/3/18:EUが「入域を30日間、原則禁止」を発表。オーストラリアが海外渡航制限を発表。米ニューヨーク州も外出制限を検討しているの報道。
2020/3/19:日経平均株価がコロナ禍での底値を記録(約1ヵ月かけて-30%値下がりした)。
「中国・武漢で正体不明の肺炎が流行している」と最初に報道されたのは2020年1月6日でした。その後、1/15に日本国内でも発症例が確認され、1/30に世界保健機関(WHO)が国際的な緊急事態を宣言しますが、日経平均株価は小幅な値動きに留まっています。
株価が本格的に下げトレンドとなったのは、世界各国が行動制限などを開始し始めた2月中旬ごろでした。そして、いわゆる「コロナ・ショック」と呼ばれる世界同時株安が3/13に起こり、3/19に底値を記録しています。
下げトレンドが始まってから、世界同時株安が起こり、そして底値を付けるまでの期間は「約1ヵ月」。
『疫病』や『災害』といった突発的な事象に起因する場合は、株価指数は「短期間」で「一気」に下落することが分かります。
リーマン・ショック時の日経平均株価の動き
続いて、2008年に発生した「リーマン・ショック」に至るまでを振り返ります。
- 2004~:ITバブル崩壊からの景気回復➡金融緩和措置の修正、政策金利引き上げ(2024/5:1.00%→2026/6:5.25%)
- 2006~:住宅ローン金利が上昇➡低金利ローンからの借り換え困難になり、延滞率・住居解約率が上昇➡不動産需要も低迷➡住宅価格の低迷、担保価値の低迷
- 2007~:住宅ローン会社、および、ローンを証券化して販売していた証券・金融会社の経営悪化
- 2008~:金融不安が全世界に波及
- 2008/9/15:リーマンブラザーズ破綻
リーマン・ショックは、「異常な金融緩和」の修正に向けて、2004年からFRBが政策金利を上昇させたことに端を発します。
金利上昇によって住宅ローン金利が上昇し、特に低所得者層で、高金利への借り換えが困難になっていきました。ローンが焦げ付き、「住宅ローン会社」や「ローンを証券化して販売していた証券会社」などの業績悪化が低迷していきます。
不動産関連企業の業績悪化に伴い、2007年頃から株価は緩やかに下降を開始、そして、リーマン・ブラザーズの破産が決定打となり、2008年9月15日から株価は暴落しました。
『企業業績の悪化』、『経済システムの崩壊』といった構造的な要因の場合は、株価指数は「長期間にわたって調整局面」が続いた後、暴落を迎えることが分かります。
さいごに
本記事では、2020年のコロナ・ショック、および、2008年のリーマン・ショック時における日経平均株価の動きを紹介しました。
- 『疫病』や『災害』といった突発的な事象に起因する場合は、株価指数は「短期間」で「一気」に下落する傾向(例:コロナ・ショック)
- 『企業業績の悪化』、『経済システムの崩壊』といった構造的な要因の場合は、株価指数は「長期間にわたって調整局面」が続いた後、「暴落」を迎える傾向(リーマン・ショック)
2024年現在、世界各国で起こっているインフレ、金利上昇は、徐々に企業業績を蝕んでいます。実際に、米国では商業不動産市況の停滞が顕在化し始めています。
現在の状況はリーマン・ショック前の2007年頃と酷似しているように思います。現状、株価は右肩上がりを続けていますから、これから調整局面を迎え、暴落が始まるのはまだまだ先になることでしょう(1、2年後くらい?)。
迫りつつある暴落に備えて、今からしっかり心構えをしておきましょう。
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