米国株式インデックス・ファンドが好調を続けています。
米国株式インデックス・ファンドの現状と今後
私は3年前より、つみたてNISA枠でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)という投資信託に積立投資しています。直近3ヵ月は特に評価額が上振れており、基準価格はファンド設立時から2.2倍まで上昇しています。
「S&P500の上昇」および「円安」が基準価格の底上げに寄与しています。
一方で、S&P500の直近のPERは25倍程度、PBRは4倍程度と割高な状況です。1999年のITバブルにも迫る水準に達しており、実体経済からは大きく乖離しています。
米国の政策金利上昇によって株価には多少なりとも下降圧力が働いていることから、いつS&P500が暴落し始めても不思議ではありません。
また、日本においては日銀が金融緩和政策を修正し、円高が始まるという意見も出始めています。「S&P500の暴落」と「円高」が重なれば、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)のような円建ての米国株式インデックス・ファンドは価格が急落する恐れもあります。
過去のS&P500下落率
過去のバブル崩壊局面において、S&P500は何%の下落率だったのか、確認してみます。
名称 | 下落率 | 最高値→底値 までの期間 |
---|---|---|
ITバブル崩壊 | -49% | 約1年半 (2000.3→2002.10) |
住宅バブル崩壊 (リーマン ・ショック) | -57% | 約2年半 (2007.10→2009.3) |
ITバブル崩壊(2000年)やリーマン・ショック(2007年)の下落率は50%前後に達し、最高値→底値までの期間は2年前後でした。
また、株価がバブル時の水準に再び戻ってくるのにも相当な時間がかかっており、
- ITバブル崩壊後に再び最高値を更新したのは7年後(2007年)
- リーマン・ショック後に再び最高値を更新したのは6年後(2013年)
株価回復には数年単位の時間がかかる可能性があることも念頭に入れておく必要があります。
S&P500暴落、円高を想定してみる
心構えは大事ですので、仮に「S&P500暴落」と「円高」が重なったとして、米国株式インデックス・ファンドの推定価格をざっくり見積もっておきたいと思います。
※ S&P500暴落率とドル円変動率に応じて、同じ割合でファンド価格も下落するという大まかな計算をおこなっておりますので、実際の値とは異なる可能性があります。
仮に現在のドル円レート(1ドル=140円)のままS&P500が30%暴落したとすると、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の価格は22,000円⇒15,000円台まで下落する計算となります。実際に数値で見るとインパクトがありますね。
S&P500が30%暴落すると同時に、円高も進行して1ドルが140円⇒130円になったとすると、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の価格は22,000円⇒13,000円台まで下落する計算となります。にわかには信じがたい数字ですが、最悪の状況も想定しておくと、いざという時でも素早く行動できると思います。
S&P500のPER・PBR推移は以下の記事で解説していますので、気になる方は確認してみて下さい。
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