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【感想】『FACTFULNESS』を読んで【世界はどんどん良くなっている】

『FACTFULNESS』(ハンス・ロスリング)というベストセラー本が非常に面白かったので紹介します。

目次

『FACTFULNESS』簡単解説

『FUCTFULNESS』は、多くの人が世界の様々な社会的問題に関して「間違った思い込み」をしていると指摘し、事実に基づいた「世界の正しい見方」を教える一冊です。

作者のハンス・ローリングは、医師として世界中を飛び回るうちに「世界の現状」と「人々の認識」の間に大きなギャップがあることに気づき、講演や著作活動を通じて「世界の正しい見方」を広める活動に従事しました。

本書では、「世界は分断されている」、「世界はどんどん悪くなっている」などが間違った思い込みであることを統計データで示し、人々がこうした思い込みをしてしまう仕組みについても触れています。

メディアやSNSなどの情報に惑わされないためにも、すべての人が読むべき必読の一冊であると感じます。

間違った思い込み

今回は、紹介されていた数ある「間違った思い込み」の中から「貧困」というテーマについて紹介します。

貧困層の割合

テレビのドキュメンタリーや募金を募る慈善団体の資料を見ていると、世界人口の大部分は未だに、明日の食糧を心配しなければいけないような「極貧困層」が大多数を占めているように感じますよね。

こうした「所得格差」の認識は、果たして合っているのでしょうか。

著者はまず、「所得格差」を正しく理解するために、所得に応じて4グループに分ける方法を提示しています。

『FUCTFULNESS』(日経BP社)41~46を参考

統計資料を基にしてこのようにグループ分けしてみると、我々がよくイメージする極貧困層(レベル1)は2017年時点で10億人ほど(世界人口の10%程度)。

それ以外の多くの人(レベル2~)は自転車やバイク、ガス調理器といった「文明の利器」を既に使いこなして生活しているようです。

この事実を見て、「想像した以上に極貧困層は少なかった」というのが、多くの人の感想ではないかと思います。

では、一体なぜこのような「認識のズレ」が生じているのでしょうか。

それには大きく2つの理由があります。

知識がアップデートされていない

「世界の大部分の人々は未だに、明日の食糧を心配しなければいけないような極貧困層で占められている」というのは、50年ほど前においては、間違いなく事実でした。

その後、戦後の経済発展と共に人々の生活水準は著しく向上。レベル1 (1~2ドル/日)で生活する人々は1866年では「50%」でしたが、2017年にはなんと「9%」まで下がっています。

世界は急速に進歩しているのに、我々はその事実を知らないまま生活しているのです。

悪い部分だけ過大に取り上げられる

「認識のズレ」が生じている別の要因としては、悪い側面だけが切り取られるメディアの性質が挙げられます。

例えば、「世界はどんどん良くなっている」ことを伝えるニュース番組と「世界はますます悪くなっている」ことを伝えるニュース番組、どちらの方が視聴率を多く稼げるでしょうか。

もちろん、後者です。

メディアも利益を上げなければなりませんから、人目を引くような悪いニュース(事故、犯罪など)を積極的に流さざるを得ないのです。

こうやって、人々の認識は事実とどんどん乖離していく図式になっています。

間違った思い込みをしないために

それでは、間違った思い込みを防ぐためには何をすべきなのでしょうか。

間違った思い込みを防ぐためには、「テレビ、SNSなどのメディアから一定の距離を置く」ことが一番だと思います。

テレビやSNSは基本的に「広告費」で成り立っています。そして、企業などから広告費を得るためには「視聴率」や「アクティブユーザー」を増やさなければなりません。

したがって、インパクトのある事故や犯罪の悪いニュースを流して視聴者数を増やし、広告費を稼ぐのが定式です。

このような媒体を見続けていたら、「認識のズレ」が生じるのも無理はありません。

スマホなどで簡単にメディアに触れられる時代だからこそ、意識してメディアに触れない時間を作るべきではないでしょうか。

我々は誇張された情報によってある種の”洗脳状態”であることを気づかせ、事実に基づく世界の見方を提示してくれる書籍でした。

以上、

『FUCTFULNESS』という本について紹介しました。

「えっ、そうなの!?」とこれまでの認識がひっくり返る情報が満載の作品です。ぜひ一度手に取って読んでみて下さい。

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