株価収益率(PER)について知りたい!
このような方におすすめの記事です。
- 株価収益率(PER)とは?
- 東証株価指数(TOPIX)のPER推移
- 米国株式(S&P500)のPER推移
投資をやっている方は「株価収益率(PER)」という言葉を見聞きすることがあるかと思います。
個別株投資をやっているわけでもない限りPERは特に考慮しなくてもいい指標ですが、知っておくと株式市場の状況が推察できるので便利です。
今回は、そんな「株価収益(PER)」について解説してみたいと思います。
株価収益率(PER)とは?
株価収益率(PER)とは、「企業が計上した利益がそのまま全て配当金として分配される場合、何年で投資分を回収できるか」を示す指標です。
式で書くと次のようになります。
株価収益率(PER)=株価÷1株当たり当期純利益
例えば、A社のPERが15倍である場合、A社の利益が毎年すべて配当金として分配されると仮定すると、投資家は15年で元がとれる(投資分が全額帰ってくる)計算になります。
(実際には利益が全て配当金として分配されることはないので、PERはあくまでも仮想の指標です。)
株価収益率(PER)が指標として用いられる理由は、株式市場の過熱具合(バブル具合)が数値として評価できるからです。
現実世界における企業の業績(=純利益)が分母に、株式市場における企業の評価(=株価)が分子に配置されているため、現実世界と株式市場の”乖離”を表現することになります。
PERが高いほど株価が過度につり上がっており(割高)、PERが低いほど株価が過小に下がっている(割安)と言えます。
東証株価(TOPIX)のPER推移
それでは、日本の東証一部上場企業の業績を指数化した「TOPIX」について、過去十年間のPER推移を見てみましょう。
おおむね15~20倍で推移していることが分かります。
一般的に、平常時(株価が実体経済を反映している時)はPERは15倍~20倍程度で推移すると言われています。
一方、バブル期の日本(1985年~1990年)においては、PERは30~70倍となっていました。当時は実体経済と株価がいかに乖離していたかが分かりますね。
米国株式(S&P500)のPER推移
続いて、米国の時価総額上位500社で構成される指標S&P500について、PER推移を見てみます。
米国株式S&P500についても平常時のPERは15~20倍で推移しますが、直近のPERは30倍前後と株高感が見られます。
1999年~2000年のインターネット・バブル(ドットコム・バブル)時のPERが30倍ですから、GAFAなどの巨大IT企業で構成される今の米国株式市場がいかに過熱しているかが想像できますね。
周囲の情報に振り回されず、落ち着いて投資を続けていかなくてはなりません。
まとめ
今回は株価収益率(PER)について解説しました。
直近の国内株式や米国株式市場はやや”過熱感”が見られます。
ここ1~2年でよく聞くようになった株式投資によるFIRE(Financal Independence Retire Early:経済的自由)も、直近の株高に乗って金融資産を築いた人が多く生まれたためと推察できますね。
しかし、バブルは必ず弾けるものです。
「株価は上がることもあれば下がることもある」ことを認識した上で、自分の意思に基づいて投資をしていくようにしましょう。
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