「分かりやすく話すコツは何ですか?」
先日、メーカー先輩社員として座談会に参加した際、就活生からこんな相談を受けました。
具体的には以下のような内容でした。
質問というか悩み相談になるのですが・・・。
私は研究内容や自分の考えを人に伝えるのが苦手です。
今回、Toshiさんのお話を聞いていると、業務内容の説明や質問に対する応答が非常に分かりやすくて凄い!と思ってしまいました。
Toshiさんは人になにかを伝える時、気を付けているポイントやコツはありますか?
私は自分の事を「説明上手」とか「話し方がうまい」と考えたことがあまり無かったので、人に指摘されて初めて、「あぁ、これは自分の”強み”なんだ」と気づいた次第です(もちろん、お世辞かもしれませんが)。
就活生にお墨付きを頂いたので、今回は「分かりやすく話すコツ」について自分なりの考えを解説していこうと思います。
分かりやすく話すコツ
私が人に説明する際に気を付けているポイントは、「高校生でも分かる言葉で話すこと」です。
より嚙み砕いて言えば、「高校生の弟や妹(や親戚の子)を頭に思い浮かべて、その人が理解できる言葉で話すこと」となります。
これは、話し相手が就活生(年下)、会社の同僚(同い年)、面接官(年上)の誰であっても、共通して心がけていることです。
「共通の知識」は高校レベルまで
言葉遣いを「高校生でも分かる言葉」に限定しているのは理由があります。
例えば、先輩社員座談会で就活生向けに話す場面を考えてみましょう。
就活生はそれぞれの大学でそれぞれの専門分野を学んでいます。
専門分野は機械工学、材料化学、細胞生物、量子物理、土木建築など多岐に渡りますから、そのような場所において大学で学習するような、
- アミノ酸の配列を解析して・・・
- 機械のトルクを調整しながら・・・
- 樹脂の分子量が大事で・・・
などと説明しても、ほとんどの人に伝わりません。
したがって、多くの人が同じ指導要領で学んできたであろう「高校の授業レベル」で話す必要があると考えています。
「共通の知識」は高校レベルまでという前提で話すのが、分かりやすく話すポイントかと思います。
「高校生が分かる」を判断する方法
「高校生でも分かる言葉」と言われても、自分が高校生の頃どんなだったか覚えてないよ・・・。
こんな方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、「高校生でも分かる」を簡単に判断する方法を2つ解説します。
- 身近にいる高校生ぐらいの誰か一人を思い浮かべる
- ニュース記事で使われている言葉だけで話す
1. 身近にいる高校生ぐらいの誰か一人を思い浮かべる
一番手っ取り早い、かつ、強力なのが、「身近にいる高校生ぐらいの誰か一人を頭に思い浮かべる」ことです。
頭に思い浮かべるのは、弟・妹・親戚の子、誰でも構いません。
大事なのは、「身近にいて忠実にイメージできる」ことです。
「あの子がこの説明を聞いたら、一体どこまで理解できるだろうか?」を常に想像しながら、難しい言葉はより優しい言葉に変換していきます。
私には大学生の弟がいるので、座談会で使う説明資料を作る際も、「弟がこの資料を見て、自分の仕事を理解できるだろうか?」を常に考えました。
想定読者を「身近な人」とすることで、「どの言葉が難しいか」を判断できるようになります。
2. ニュース記事で使われるような言葉だけで話す
テレビやネットのニュースは、年齢(大人・子供)や経歴(文系・理系)が異なる人が一緒に見ることを想定して作られています。
そのため、ニュース記事で使われるような言葉であれば、どんな人でもある程度理解できると考えられますね。
例えば、自分の研究分野について誰かに紹介したい場合は、ニュースサイトなどでその分野の用語を検索し、出てきた記事内で使われている言葉レベルで話すといったやり方ができます。
私が座談会でメーカー業界の話をする際も、経済系のニュース記事で使われている言葉レベルで話すように心がけました。
ニュース記事は、「誰でも分かる」ラインを判断する貴重な材料と言えますね。
まとめ
今回は、「分かりやすく話すコツ」というテーマで、自分なりの考えを解説しました。
分かりやすく話すコツは、「高校生でも分かる言葉で話すこと」。
そして、「高校生でも分かる」を判断する方法は、
- 身近にいる高校生ぐらいの誰か一人を頭に思い浮かべる
- ニュース記事で使われているような言葉だけで話す
今回お話ししたコツは、面接官のような年上に対して説明する場合でも使うことができます。
(メーカー企業の面接官であっても、その人が営業出身で文系の人であれば、理系教科の知識は高校時代で止まっている可能性が高いので)
どんな場面でも「高校生に向かって話している」と想定することで、説明を理解してくれる確率が高まると思います。
ぜひ参考にしてみて下さい。
コメント