「知的財産について知りたい」
「特許の書き方を学びたい」
こんな方におすすめの記事です。
会社で研究職として勤務する方が必ず通らなければならない特許作成ですが、初めての特許作成はとてもとても骨の折れる作業です。
私も入社してから初めて特許作成に取り組んだ際は、「請求項の書き方」や「実施例の作り方」などのコツが全く分からず苦戦したのを覚えています。
本記事では、メーカーで研究職として働く私が、実際に読んで参考になった知的財産の本を厳選して紹介していきます。
特許の勉強におすすめの「知的財産本」6選
楽しく学べる「知財」入門
メーカーで知財業務に携わった経験のある筆者が、知的財産の基礎・基本から解説してくれる入門書です。
「リポビタンD(大正製薬)のCMでお馴染み”ファイト―、イッパーツ”には音の商標権がある」など、メーカー勤務経験者らしい豆知識が随所に出てきます。
「まずは知的財産の全体像を広く知りたい」という方におすすめの本です。
知的財産法入門
弁護士として知的財産関連の業務に携わる筆者が、知的財産の制度の話からわかりやすく紹介してくれる入門書です。
この本の特徴は、「そもそもなぜ”知的財産”を守る法律ができたのか」という根本的な話から説明してくれる点です。
「なぜ”知的財産”を守る法律ができたのか」が分かると、「どんな発見が”特許”になるのか」も自然とイメージできるようになります。
「知的財産の制度についてざっくり学んでおきたい」という方におすすめの本です。
技術者・研究者のための特許の知識と実務
企業や研究機関に所属している研究者・技術者向けに書かれた特許の教科書です。
この本の特徴は、特許を書く際のコツについて、発明例を交えて具体的に解説してくれる点です。
初めて特許を書く人にとって特に難しい「新規性・進歩性の判断基準」、「請求項・実施例の書き方」についてもわかりやすく説明してくれます。
「特許を書く際の教科書が手元に一冊欲しい」方におすすめの本です。
レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?
特許を出願し手の内を公開した上で技術を守るべきか、もしくは、特許を出願せずに社内のノウハウとして留めておくべきか。
知的財産の世界には「究極の2択」があり、各企業は常に頭をひねりながらビジネスしていることを教えてくれる読み物です。
誰もが一度は聞いたことのある有名企業の事例が紹介されているため大変読みやすく、「知的財産」に対する抵抗心も無くなります。
「まずはいろんな実例を知って、知的財産のイメージを知りたい」という方におすすめです。
オープン&クローズ戦略
企業が知的財産を活用して世界で勝ち残っていくための戦略を解説してくれる本です。
この本の特徴は、「企業が保有する技術や特許をビジネスにどう利用していくか」というように、広い目線で知的財産を議論している点です。
企業目線で技術や特許がどう利用されるか知っておくと、「どんな請求項・実施例を書けば強力な特許になるかな」と個人レベルに落とし込むこともできます。
「企業目線での知的財産戦略について知りたい」という方におすすめの記事です。
知的財産戦略
世界でもトップクラスの特許出願数を誇るキヤノンで特許本部長を務めた筆者が、知的財産戦略について解説してくれます。
特許の書き方のテクニックに留まらず、生まれた発明を文字起こしして特許化するための「思考法」についても学べる点が多いです。
例えば、「転がらない鉛筆」を発明したとして、「断面が六角形」ではなく「中心から周囲までの点の長さが一定ではない断面」と表現して特許化し他社の参入障壁を高くするなど、目からウロコの思考法に触れることができます。
「特許で飯を食ってきた人の思考法が知りたい」方におすすめの本です。
最後に
本記事では、特許の勉強におすすめの知的財産本6選を紹介しました。
- 楽しく学べる「知財」入門
- 知的財産法入門
- 技術者・研究者のための特許の知識と実務
- レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?
- オープン・クローズ戦略
- 知的財産戦略
特許を取得すれば事業に貢献することができますし、自身の業績にもつながります。
特許の作成に慣れるまでは苦労も多いかと思いますが、書籍を読んで仕組みや書き方を理解すれば抵抗感も徐々に薄れてくるはずです。
気になる本があればぜひ手に取って読んでみることをおすすめします。
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