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【株式投資】ネット証券大手『SBIホールディングス』の将来性と投資判断

日本のネット証券大手『SBIホールディングス』の株式を取得しました。

目次

『SBIホールディングス』について

SBIホールディングスは日本最大級のネット証券会社であるSBI証券を傘下に有し、総合金融サービスを手掛ける企業です。

提供サービスは証券、銀行、保険、ベンチャー投資など多岐に渡っています。

サービス子会社、提供サービス等
証券SBI証券
SBI FXトレード
銀行SBI新生銀行
住信SBIネット銀行
保険SBI生命保険
SBI損害保険
投資ベンチャー投資
半導体設備投資
主なサービスや子会社、提携会社など

SBIホールディングスはネット証券(SBI証券)として一般的に知られていますが、SBI証券の売上において株式売買手数料が占める割合は小さく、金融事業は既に多角化されています。

売上収益構成比率
委託手数料
(うち、国内株式手数料)
約20%
(約10%)
金融収益約30%
引受・募集・売出手数料約5%
トレーディング収益約30%
その他約15%
SBI証券における売上収益の構成比率(2022年度12月期)

売上収益構成ではトレーディング収益の比率が約30%と大きくなっています。この理由としては、「近年の為替市場の大幅変動に伴い、取引(FX)が活発化したため」と説明されています。

SBIホールディングスは、SBI証券における国内株式手数料を無料化にする『ネオ証券化』を進めています。SBI証券は集客用のサービスとして使い、顧客をその他の提携サービス(銀行、トレーディング、保険、小売り…)に誘導することで収益化するビジネスモデルを構想しているようです。

また、SBIホールディングスは『第4のメガバンク構想』として「新生銀行の買収」や「地銀との資本提携」を進めています。これから日本が金利上昇に向かえば銀行の業績も上向くと想定されていますので、将来にむけて淡々と種まきを進めていると言えます。

2023年3月期の海外売上高比率は27%。現時点では日本国内向けの金融サービスが主力と言えます。2023年3月期の年間売上高は1.0兆円、売上高総利益は7150億円、純利益は350億円となっています。

『SBIホールディングス』の将来性と投資判断

株式投資を決めた理由について、記録を残しておきたいと思います。(あくまでも私個人のものさしに基づく評価ですので、投資判断はご自身の責任でお願いします)

投資判断する上では、バリュー投資家の元祖として知られるベンジャミン・グレアムの著書『賢明なる投資家』などを参考にしています。特に、以下の8項目に注目して、将来性・安定性などを検討しています。

項目評価
企業規模
財務状況
収益の安定性
配当歴
収益の伸び
割安度合い(PER)
割安度合い(PBR)
評価項目・結果の概要(2023年3月期)

企業規模

目安:年間売上高1000億円以上

企業の体力という観点から、企業規模はある程度大きい方が好ましいと考えます。SBIホールディングスの2023年度の売上高は1兆円ほどであり、企業規模は「十分に大きい」と判断しました。

財務状況

目安:流動比率200%以上、自己資本比率50%以上

製造業における財務の健全性は上記を一つの目安にしていますが、銀行業の場合は預金が負債として勘定されることから、この限りではないと考えます。

自己資本比率は4.5%となっており、他の大手銀行や大手証券と比較しても同等程度です。財務状況は「普通」といったところでしょうか。

収益の安定性

目安:過去10年間、赤字の年が無い

SBIホールディングスは過去10年間赤字の年が無く、「収益は安定している」と考えられます。

直近は「新生銀行買収で生じた利益計上(2022年度)」や「海外銀行事業や暗号資産事業の評価損計上(2023年)」など、突発的なイベントで純利益は大きく上下に振れていました。

一方で、SBI証券などに代表される本業(金融事業)においては、口座数の増加や収益源の多様化が寄与し、売上・収益共に堅調に推移している状況です。

配当歴

目安:過去10年間、無配当の年が無い

SBIホールディングスは、過去10年間において継続的に配当を出しており、減配した年もありません。配当予想は提示されておりませんが、去年と同等水準で算出した予想配当利回りは5%程度であり、ここ数年は高配当銘柄に分類されています。

収益の伸び

目安:過去10年間において、最初の3年間と最後の3年間の平均を比べて、一株当たり利益(EPS)が1.3倍以上増加

SBIホールディングスは過去10年間で一株当たり利益(EPS)が4倍に大幅増加しています。新生銀行買収で極端に純利益が高かった2022年度決算を除いた場合でも1.5倍となるため、「収益の伸びは良好」と言えます。

割安度合い(PER)

目安:PERが15倍以下(※ 過去3年間の一株当たり利益(EPS)平均値を使って算出した値とする)

新生銀行買収で極端に純利益が高かった2022年度決算を除いた場合、PERは12倍です。また、今期の決算予想から算出される予想PERは11倍となっており、一般的な基準から考えると「やや割安」と言えると思います。

割安度合い(PBR)

目安:PBRが1倍以下(※ PBR1倍以上の場合、PER×PBRが22.5以下)

SBIホールディングスは株価純資産倍率(PBR)が0.8倍と低く、「割安」な水準にあると言えます。

2023年に入ってからは、東京証券取引所が上場企業に対して「PBR1倍割れ改善」を要請した点も注目です。SBIホールディングスの株価に対しても、PBR1倍に向けて上昇圧力が働く可能性があります。

その他、注目した点

SBIホールディングスはここ十数年の間、継続して利益が増加傾向であり、「成長性が高い」印象を受けています。実店舗をほとんど持たずにネット上でサービスを提供しているので固定費を低く抑えることができ、稼いだ利益を成長分野に投資できるのだと思います。

一方で、近年は「新生銀行の買収」や「半導体投資事業」など、積極的な大型投資を行っています。投資が実ればいいですが、相応のリスクも同時に抱えていることを頭に入れておいた方が良さそうです。

SBIホールディングスは株主還元について「金融事業における税引前利益の30%程度を目安として、総還元額を決定する」としています。株主還元の強化を宣言している点は、株式投資におけるポイントの一つです。

まとめ

SBIホールディングスは日本のネット証券大手のSBI証券を傘下に抱え、証券・銀行・保険・投資などの総合金融サービスを提供する企業です。

  • PBRは0.8倍と割安な水準である(”盤石な顧客基盤”という非財務資本を考慮すると、更に割安)
  • 過去十数年間、継続して利益が増加傾向であり、今後も成長が見込まれる
  • ネット金融が主軸なので固定費(土地代や人件費など)を低く抑えることができるため、他の証券会社、保険会社などと比較しても粗利率が高く、稼ぐ力が高い
  • 「為替変動の激しさ」や「金融緩和修正による金利上昇」は、FX事業や銀行事業に対して追い風
  • 「株式売買手数料の無料化」が実現し、「新NISA制度」が始まれば、顧客基盤の更なる拡大が期待される

と好材料が多く、株式投資することとしました。

私も実際にSBI証券のサービスを使用しており、取引手数料を極力抑えようと「顧客志向」を貫いている点は、応援したいポイントの一つです。

日本国民の金融インフラとして、今後も成長を続けてほしいと思っています。

P.S. その後、株式を売却しました(2023/12)。

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