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【感想】『お金2.0』を読んで【主役は「お金」から「価値」へ】

『お金2.0』(佐藤航陽)という本が面白かったので紹介します。

目次

『お金2.0』簡単解説

『お金2.0』は、テクノロジーなどの発展によってこれからの「お金」や「経済」の形がどう変化していくかを描いた作品です。

本書の内容は、仮想通貨やベーシックインカムなど、最近の話題が多く取り上げられています。

著者は金融系のベンチャー企業家であり、金融の最先端でビジネスをする経営者の視点や考え方について知ることができます。

「未来のお金や経済がどう変化していくのか知りたい」「経営者がどんな視点でお金を見ているのか気になる」という方におすすめの作品です。

主役は「お金」から「価値」へ

「今までは『お金』が主役だったが、これからはより広い意味での『価値』が主役の経済になっていくだろう」というのが本書の主題となります。

これまでの社会の典型的なロールモデルと言えば、「有名な大学を卒業し、年収の高い安定した大企業に入社する人」のことを差していました。

その人が成功者かどうかは、「年収」という定量的な数値で判断されていたわけです。

しかし、最近はどうでしょう。

今の若い人にとってのロールモデルは、「YoutuberやSNSフォロワーの多いインフルエンサー」であり、成功者かどうかは「影響力」などの目に見えないもので判断するようになってきています。

なぜ、このような社会の変化が起きているのか?

それは、インターネットが普及したことにより、稼ぐ手段が多様化したことによります。

手段の多様化により人々が注力するポイントが「お金」という「手段」から、その根源にある「価値」に変わることは予想できます。

価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます。

『お金2.0』(幻冬舎)155ページ

例えば、SNSフォロワーが100万人の人は、Twitterでただ呟いているだけでは報酬は発生しません。

しかし、例えば広告費の入るYoutubeなどのプラットフォームで投稿したり、企業案件で商品を紹介すると、とたんに会社員以上の報酬を手にすることができます。

目に見える年収・貯金といった「お金」が重要視されていた社会から、目に見えにくい影響力・信用といった「価値」がより重要視されるように社会はどんどん変化していくだろうと筆者は主張しています。

「価値」の3形態

これからは「価値」が大事になるという話でしたが、そもそも「価値」という言葉が抽象的で分かりにくいですよね。

筆者は、「価値」を次の3つの形態に分けて具体的に説明しています。

  • 「有用的」な価値
  • 「内面的」な価値
  • 「社会的」な価値

「有用的」な価値

最も一般的で昔からよくあるタイプの「価値」として、人間の役に立つ人やモノがあります。

例えば、冷蔵庫、スマホは機能性がいいほど高い値段がつきますし、生産性が高くて仕事が捌ける人や長時間働く人は年収も高くなる傾向にあります。

「内面的」な価値

人間に対してなにかしらの感情(共感・好感・興奮)を与える人やモノにも「価値」があると見なされるようになってきています。

例えば、「Youtubeのゲーム実況」や「Vtuberの雑談配信」は視聴者の実生活には直接役立ちませんが、視聴者が楽しんだり共感したりすることが立派な「価値」であり、現代ではお金を生んでいます。

「社会的」な価値

特定の個人に対してなにか有益性をもたらすわけではありませんが、社会全体を良くする人の行動やモノにも「価値」があるとみなされます。

例えば、「環境保護」や「慈善活動」はそれ単独では利益を生みませんが、最近ではそのような活動に携わる人にも給料が支給され、仕事となる場合が出てきています。

昔は「価値がある」と言えば基本的に「有用的」の意味でしたが、これからは「内面的」や「社会的」な価値もお金となり、これまで予想もしなかったような職業が生まれてくることが予想されますね。

さいごに

今回は、『お金2.0』 (佐藤航陽)について紹介しました。

これからは「役に立つ」ではないエンタメ的な「たのしさ」、「面白さ」を提供できる人がどんどんお金を稼いでいくように感じます。

インターネットの世界でビジネスを考えている人やクリエイターの方は特に一読してほしい本です。

気になった方はぜひ手に取ってみて下さい。

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