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【感想】『私の財産告白』を読んで【一般人のための資産形成術】

『私の財産告白』(本多静六)という本を読みましたので解説と感想を残しておきます。

目次

『私の財産告白』簡単解説

この本は、戦前から戦後(1866~1952)を生きた大学教授・実業家・著作家である本多静六さんの、資産形成に関する書物です。

本多静六さんは大学教授として働く傍ら、給与の四分の一を貯金して投資に回す「四分の一天引き貯金法」を実践し、四十歳で株式配当・貯金利子が大学教授としての年収を上回る(現代でいう「経済的自立」)を達成しました。

「ビジネスや投資で一発当てる!」みたいな突飛な話は一切なく、現代の公務員やサラリーマンこそ実践すべき資産形成の定石が記されています。

また、実業家としての様々な経験に基づく仕事論や人生論についても書かれており、学べるものが非常に多い本となっています。

本多静六の資産形成術

本書で描かれている本多静六さんの資産形成術はいたってシンプルで、誰でも真似できる方法となっています。

  1. 給与の四分の一を貯金する
  2. 副業でタネ銭を稼ぐ
  3. 貯金の一部を投資に回す

1. 給与の四分の一を貯金する

まずは、給与の四分の一を貯金するところから始まります。

例えば、給与が20万の人は5万円を、25万円の人は6万円を、30万円の人は7万円を機械的に天引き貯金していくのです。

文章で見ればなんてことのない簡単な方法ですが、実際に行動できている人は意外と少ないのではないでしょうか。

著者も本の中で、「貯金の本質は”方法”ではなく”行動”にある」と述べています。

 ホンの一回、最初の出発において、何人もまず四分の一の生活切り下げを断行してください。ただそれだけですむのである。何事も中途でやり直すことは難しい。最初から決めてかかるのが一番楽で、一番効果的である。

『私の財産告白』、23ページ

ちなみに賞与(ボーナス)については、全額を貯金することとしています。

したがって、「貯金」は次のように式で表すことができます。

貯金=月給×1/4+ボーナス

2. 副業でタネ銭を稼ぐ

著者はさらに、給与収入のみならず副業による収入を得ることで、お金を増やすスピードを上げることをオススメしています。

実際に著者は、大学教授としての業務と並行して、執筆活動や民官組織からの業務委託なども引き受けていました。

現代に生きるサラリーマンにおいては、ブログ・動画制作・スキルマーケットに登録など、副業の種類は多岐に渡ります。

本業以外の収入源も確保できれば、金銭面だけでなく精神面においても余裕を持つことができますね。

3. 貯金の一部を投資に回す

四分の一貯金+副業収入で貯金が増えてきても、これだけでは実は十分な財産を築くことはできません。

次に必要なのは、「四分の一貯金+副業収入」でできた資金を投資に回し、利子によって財産を増やしていくことだと筆者は述べています。

 貯金とアルバイトで雪達磨(ゆきだるま)の芯を作る。さて、このあとをどうするか。これからが「致富の本街道」である。新しく積極的な利殖法を考えることである。

 それは断じて「投機」ではない。「思惑」ではいかん。あくまでも堅実な「投資」でなければならぬのだ。

『私の財産告白』、44ページ

具体的には、筆者は株式投資と山林投資(筆者は植林系の専門)により、大きな財産を気づきました。

株式投資においては、「三十種以上の業種に投資することでリスク分散を心掛けた」とも記載しています。

現代で言えば、まさにインデックスファンドへの株式投資に当たるのではないでしょうか。

現代版「四分の一天引き貯金法」シミュレーション

著者が生きた時代は1800年代後半~1900年代前半ですが、21世紀の現代においてもこの「四分の一天引き貯金法」は通用するのでしょうか。

実際に検証するため、平均的な給与のサラリーマンが「四分の一天引き貯金法」を実践した場合にどうなるか、実際にシミュレーションしたいと思います。

モデル
  • 職種:サラリーマン(副業は考慮しない)
  • 給料:平均値とする
  • 条件:月給×1/4+ボーナスを投資に回す
  • 投資対象:全世界株式インデックス

モデルの平均給料は転職サイト(duda)に掲載されている年齢別平均年収(2020年度版)とし、年間ボーナスは5ヵ月分と仮定します。

また、投資先の全世界株式インデックスは年利4%とします。

大学を卒業(22歳)してから働き出した場合のシミュレーションは次の通りです。

平均給与のサラリーマンが「四分の一天引き貯金法」を実践した場合

ごく平均の給与であっても、40歳で金融資産額は5,000万円、60歳ではなんと1.8億となります。

全世界株式インデックスで4%というのは過去の実績から見ても現実的な範囲であり、(継続さえできれば)「四分の一天引き貯金法」によって誰でも再現性良く億万長者になれることを示唆していますね。

大切なのは「継続すること」

頭では「貯金をすべきだ」と分かっていても、実際に行動に移せている人はとても少ないのが現状ではないでしょうか。

貯金生活をつづけていく上に、一番のさわりになるものは虚栄心である。

『私の財産告白』、27ページ

筆者はこう語っています。

「自慢するためにブランド品を身に付けたい」、「人気のあの店に行きたい」。

現代社会で暮らす私たちは誘惑に囲まれて生活していますが、「目の前の誘惑」と「将来の目標」を都度天秤にかけて、冷静に判断するようになりたいですね。

本書を一読すれば、自分の生活を見直すきっかけにもなるかもしれません。

以上、『私の財産告白』(本多静六)を紹介しました。

ぜひ皆さんも一度読んでみて下さい。

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