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「価格半額、納期半分」の中国に、日本の製造業は勝てるのか?

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「価格半額、納期半分」の中国

私は日本の化学メーカーで研究職として働く、6年目サラリーマンです。

製造設備のある部品を製作する必要が生じたため、日本でトップシェアを誇る部品メーカーと、中国の部品メーカーに相見積もりを依頼しました。すると、

  • 日本の部品メーカー:見積り500万円、納期6ヵ月
  • 中国の部品メーカー:見積り250万円、納期3ヵ月

比べ物にならないほどの価格差と納期に驚愕しました。

私は日本人ですから、日本メーカーを応援したい気持ちは山々です。しかし、こちらもビジネスなので、ここまでの差が開いてしまっては、単に「応援したい」という気持ちだけで日本メーカーを選ぶのも難しい状況にあります。

なぜここまで差が開くのか?

日本の人口は約1億人であり、中小企業は特に国内(内需)で仕事をしていますから、基本的に1億人のマーケットに対して仕事が発生しています。

一方で、中国の人口は約14億人です。単純計算ですが、日本より14倍のマーケットが存在し、同じ部品でも14倍の需要が存在すると想像できます。

14倍もの需要があって日々発注が舞い込む状況であれば、在庫もよりたくさん積んでおくことができ、量産効果で価格も大幅に下がります。

製造業の世界では、「汎用品」で中国メーカーに勝つのは原理的に不可能です。

「グローバル二ッチ」こそ日本メーカーの主戦場

日本のメーカーはこれまで、高度な技術力が求められ一定数の需要が見込める「特殊品」(=グローバル二ッチ製品)で力を発揮してきました。

そして、これからもやはり、日本のメーカーは「グローバル二ッチ」で世界と戦っていく運命にあると実感します。中国メーカーが進出してきた際に低価格で消耗戦を繰り広げても、地の利がある中国メーカーにいずれ敗北するのは必然です。

他社参入できる程度に技術が陳腐化してしまった市場は早い段階で譲り、技術で差別化できる製品にリソースを集中するのが日本メーカーのあるべき戦略だと感じます(もちろん、そのために日々研究開発に取り組んでおく必要はありますが)。

同じ日本のメーカーで働く身として、グローバル社会の厳しい現実を目の当たりにした次第でした。

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