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【感想】『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』を読んで

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』を読みました。中年女子の愉快で赤裸々なエッセイでした。

目次

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』簡単解説

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』は、「”中年女子”の日常的な葛藤を描くエッセイ集」です。

著者のジェーン・スーさん(※日本人)は、作詞家やラジオパーソナリティーなどの顔を持つ女性の方です。本書では、著者が”中年”を迎えて感じた葛藤や心の変化がユーモア溢れる文章で描かれています。

本書に掲載されているエッセイは、例えばこんなタイトルのものがあります。

  • 女子会には二種類あってだな
  • かわいいはだれのもの?
  • 三十代の自由と結婚
  • 男女間に友情が成立するか否か問題が着地しました
  • 女友達がピットインしてきました

本書の筆者と同じアラフォー女性はもちろんのこと、男性の方でも楽しめる本と思います。

女性はタイヘン?

そもそも、このブログ記事を書いている私は、一般的な「中年」にも分類されなければ「女性」でもありません。「二十代」で「男」です。

そんな私がなぜ本書を手に取って読もうと思ったのかと言うと、以前読んでいた『中年の本棚』の中に本書の引用があり、その強烈なタイトルに惹かれてしまったからです。

実際に読んでみると、二十代・男でも非常に楽しく読めました。もし中年・女性の方が読めば、間違いなく共感の嵐だと思います。

私が本書を読んで最初に感じたことは、「女性はとても社会的な序列を意識して生きている」ということです。

例えば、「女子会には二種類あってだな」の章には次のような一節があります。

オンナノコって、いつも楽しいよね。

ってなことを言いながら、今年買った服か靴か鞄のどれかを装備し、ネイルやまつげエクステなどの女の鎧甲冑よろいかっちゅうをガッツリまとって挑みます。

この手の女子会は、”女同士の集まり”を自称しながらも、参加者は対異性の女性性をしっかり意識している。己の女ポジショニングをアップデート(更新)しつつ、周囲にもそれをアピールするためのツールです。

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)14ページ

「女子会」は単においしいお酒を飲みながら近況を語り合うだけでなく、「私は今、女性としての性にここまで磨きをかけてますよ」とアピールするためのツールとして使われるとのこと。男の自分から見ると、「なんだか、すごく複雑なことをしていたんだな~」という印象を受けます。

もちろん、このような”発表会”ではない女子会も存在すると筆者は言います。

SNSに載る女子会がフレンチビストロで行われるならば、海賊の宴会はスペインバルで行われます。働く女どもは、油浮きした化粧に昭和のおっさんのような疲労感を漂わせ、とりあえずアホのようにワインを空けていく。ひとり一本は空ける。誰も聞いていないのに「今日は飲む」と宣言する。

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)14ページ

なるほど、女性は”発表会”としての女子会と、”飲み会”としての女子会を器用に使い分けている。男性は社会的な序列(地位や肩書き)を気にするとよく言われますが、女性も負けず劣らず、社会的な序列(”女”としてのステータス)を気にしていると感じました。

三十代では幹を伸ばすべし

「三十路の心得十カ条」の章では、筆者が自身の三十代を振り返って、得られた教訓が綴られています。

その一つが、「最初の五年で幹を伸ばし、次の五年で枝を剪定せんていすべし」です。

三十代、最初の五年は体力的にまだ無茶が効く時代。ならば、いままでやれなかったことをフルスロットルでやるべし。旅行、勉強、散財、恋愛、趣味、習い事、なんでもOKです。ここで大人ぶって守りに入ると先細りになりますから、まずは幹を太らせましょう。

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)28ページ

例えば、筆者は30代前半で、貯金していたお金を浪費で全て使い果たしたと告白しています。40代の今であれば怖くてできないことも、30代のあのころだったからできたとのこと。

私個人は20代後半になって「だいぶいろいろ経験してきたな」と思っていました。中学・高校と部活に励み、大学ではバイト、留学、研究生活。そして会社員となり、現在進行形で社会で働くとはなんたるか、を経験しています。

しかし、40代から見ればまだまだ経験が足りないようです。あと数年間はまだまだ失敗も許されるとのことなので、筆者に背中を押してもらい、いろんなことに挑戦していこうかなと思えてきました。

以上、

『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』についての紹介でした。

”中年女子”をテーマにしたエッセイ集ですが、ユーモア溢れる文章で年齢・性別を問わず楽しめる本だと思います。

気になった方はぜひ一度手に取って読んでみて下さい。

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